こんなことでお悩みの方におすすめ
- ビットコインには「マイニング」という概念があるらしいので知りたい。
- ビットコインは掘り出せるらしいんだけど、意味が分からない。
- ビットコインのマイニングは自宅でも出来るのか、儲かるのか知りたい。
この記事を読むと3分で分かること
- ビットコインのマイニングとは何か(図解)
- マイニングとブロックチェーンの関係
- 2023年現在、マイニングは自宅で出来るか、儲かるか
ブロックチェーンとは何かについての記事において、ブロックチェーンというのは分散型の取引台帳(帳簿)であるとお話しました。

そして、このブロックチェーンを作っているのはビットコインシステム参加者だというお話をしました。
ちょうど以下の図のようなイメージです。

このビットコインシステム参加者のことをマイナー(採掘する人)と呼び、ブロックチェーンの作成のことをマイニング(採掘)といいます。


今回は、ビットコインとブロックチェーンに欠かせない「マイニング」についてお話していきたいと思います。
なお、マイニングについては技術的なお話なので、きちんと理解できていなくてもビットコイン投資はできます。
ただし、ビットコインの抱える限界と関連する話なので、なんとなくでも知っておく方が良いでしょう。
この記事はどんな人が書いているの?
- 2017年に仮想通貨投資を開始し、30代で金融資産6,000万円を達成
- Coincheck(コインチェック)およびbitFlyer(ビットフライヤー)で、毎月20万円ずつ仮想通貨を積立中
- 東京大学経済学部卒。2023年現在、仮想通貨投資歴6年、暗号資産CFD歴1年、株式投資およびFX歴15年以上
ブロックチェーンにおけるマイニングのイメージ
マイニングの具体的な説明に入る前に、ブロックチェーンにおけるマイニングのイメージを大雑把に押さえておきましょう。
(マイニングの具体的な説明は、「ハッシュ値」などの小難しい話が出てきます)

参考ブロックチェーンとは何か?ビットコインの中核技術を初心者向けに図解で説明!
ビットコインの仕組み上、取引台帳は銀行ではなくマイナー(ビットコインシステム参加者)がつけてくれていると説明しました。
ビットコインの取引と言うのは、世界中で24時間365日行われているわけですが、「マイナーはそのすべての取引に対応しているのか?」と思うかもしれません。
結論を言うと、マイナーは、全てのビットコイン取引に対応しています。
24時間、365日、マイナーは働き続けています。
10分ごとに多数の取引を1つのブロックとして取りまとめ、マイナー間で相互にチェックし、不正がなければ、新たにチェーン(鎖)に追加されます。
こうして、取引のブロックがチェーン状につながったものなので、ブロックチェーンという名前になっているのです。

このように、マイニングとは、マイナーが10分ごとに多数のビットコイン取引を1つのブロックとして取りまとめる作成作業のことです。


マイニングとは?具体的に説明!
マイニングとは、マイナーが10分ごとに多数のビットコイン取引を1つのブロックとして取りまとめる作成作業のことだと述べました。
ここからは、これを一段掘り下げて具体的に説明していきます。
ビットコインの取引は、ハッシュ関数という関数により、規則性のない文字列(ハッシュ値)に変換されます。
例えば、「博士からあなたへ1BTC移動」という情報を、ビットコインで使われているハッシュ関数「SHA256」でハッシュ値に変換するとこうなります。
a8f1049ddbc3a5c0d6f46f5247511f44668ca5ac28b15397e404a5d242df2505


次に、「あなたから博士へ1BTC移動」という情報に変えてみましょう。出し手と受け手を逆にしただけですね。
5bc85ab3efb422853ea3bc0fae36e5984e6607049a3148f55fe0663fbce95653
まったく違う64桁の関数になりました。
この「ハッシュ値」というものは、上記のように取引ごとにも存在しますが、(取引をまとめた)ブロックごとにも存在します。
ブロックを作成する作業(マイニング)とは、「直前のブロックのハッシュ値+今回のブロックに含まれる全取引のデータ+ある値X」のハッシュ値の最初の16~17桁が0になるような「ある値X」を割り出す計算です。


以上のことから、マイニングを具体的に言えば、以下の3つの条件をすべて満たすハッシュ値(64桁)を探す作業といえます。
- 最初の16~17桁が0
- 直前のブロックの情報を含む
- 今回のブロックの全取引データを含む
見た目でいえば、以下のようなハッシュ値を探しているイメージです。
(以下のハッシュ値は適当であり、「最初の16桁が0」という条件しか満たしていません)
00000000000000008b0c435abdbbef0958a16e9548f2384930ed587f2a840bdc
非常にややこしいですが、簡単に言えば、これが分かると直前のブロックにガチャっとはまるブロックが作れるのです。
なんでマイナーはマイニングしているのか?
「山に登るのはそこに山があるから」という名言がありますが、マイナーが採掘(マイニング)するのは、ただ単に「採掘できるものがあるから」ではありません。
マイナーがマイニングをする理由は「報酬が出るから」です。

実は、先ほどの3つの条件を満たすハッシュ値を探す(=マイニング)というのは、片っ端から(ある値Xを)当てはめてしらみつぶしにするしかないため、至難の業です。
どのくらい至難の業かといいますと、何兆回もの計算を10分で行う必要があります。


現在、マイナーというのは大規模な設備投資を行い、膨大な数のコンピューターを駆使して24時間、365日計算をし続けているのです。
コンピューターの性能を限界まで使っているために、機器冷却のための電気代が高額になりますので、日本では採算が合わず、マイナーはほとんどいません。
こういった事情から、電気代が安くて寒い中国北部等、一部の国にマイナーが集中しているのが現状です。

このように労力や資金力がかかる「マイニング」をやるわけですから、実はマイナーには報酬が用意されています。
それが、6.25BTC(2023年時点)です。ちなみに、この報酬は4年に1回、「半減期」と呼ばれる時期に半分になっていきます。

ここまで述べてきた「マイニング」はひとりのマイナーがやっているわけではなく、多数のマイナーが競争してハッシュ値を探しています。
そして、最初に「答えとなるハッシュ値」を見つけたマイナーは、報酬として6.25BTC(2023年現在の時価で1,850万円程度)がもらえる仕組みになっています。
(最初に見つけられなかったマイナーは、見つかったハッシュ値が正しいかどうかの検証・確認作業を行います)
少ないような気がしますが、これは「10分毎」にもらえるので、仮に24時間ずっと勝ち続ければ、1日で27億円程度になります。

マイニングから分かるビットコインの限界とは?
ここまでマイニングについてお話してきましたが、ビットコイン投資家にとって重要なのはここからです。
実は、マイニングという仕組みこそが、ビットコインの限界を示しているとも言われているからです。
マイニングは、マイナーが10分ごとに競争してハッシュ値を求めていると言いました。
そして、「ハッシュ値を求める=ビットコインの取引を承認すること」なので、ビットコインは最短でも取引の承認に10分かかるということです。


もう一つの限界が、マイニングの電気代などから、マイナーが一部の国に集中してしまうことです。
実際に、2021年に中国当局がマイニングを禁止するまでは、マイナーの5割~8割程度が中国に集中してしまっていました。

マイナーの集中がなぜいけないのか。
ビットコインはマイナーのマイニングなしには成り立たないので、マイナーが一極集中してしまうと、ビットコインの運営に影響力をもってしまうためです。
実際に、たびたびビットコインの分裂騒動などを起こしてきたのは中国のマイナー集団です。
そして、2017年にはビットコインをハードフォーク(分裂)させたビットコインキャッシュが誕生してしまいました。

このように、ブロックチェーン、マイニングにかかわる限界を抱えているビットコイン。
ただし、ビットコインの取引時間の問題については、様々な技術的解決策が検討され、すでに一部実装されています。

マイニングは自分でも自宅で出来るのか?儲かるか?
自分でマイニングをやってみたい、という方もいるでしょう。
本項では、マイニングは自分でも自宅で出来るのか、そして、儲かるのかについて解説します。

グラフィックボードがあれば、マイニングは自宅でもできる
coindesk JAPANおよびNicehashによれば、グラフィックボードである「RTX 3080」がついたPCなら、月16,000円くらいは稼げる試算です。
Nicehashの算出結果によると、RTX 3080などエヌビディアの新しめのグラフィックカード(GPU)を使っていれば、1カ月に139ドル(約1万6000円)を生み出すことができる。
グラフィックボードがあれば、マイニングは自宅でもできるということです。
2023年現在、自宅マイニングは儲からない
自宅マイニング自体は現在でも可能であり、グラフィックボードによっては月16,000円くらいは稼げる試算であると述べました。
ただし、これには電気代が考慮されておらず、ざっくり半分は電気代で持っていかれると思った方がいいでしょう。



実際、マイニングのプロからしても、マイニングによる収益は減ってきています。
以下の図は、2022年~2023年にかけてのMiners Revenue、つまりマイナーのビットコイン採掘による収益です。

一時期は5,000万ドルほどあった収益は、直近では半分以下、1,500万~2,000万ドル程度に落ち着いています。
2023年現在、マイニングで個人が稼ぐのは、不可能ではありませんが非効率です。
仮想通貨を使ってマイニング以外で儲ける2つの方法
仮想通貨を使って儲ける方法は、マイニングだけではありません。

仮想通貨を使って儲ける王道の方法は、以下の2つ。
- 売買で儲ける
- レンディング(=仮想通貨を貸すこと)で儲ける
1番はシンプルに、ビットコイン等の仮想通貨を「安く買って高く売る」ことです。
2番は以下の記事で解説したとおり、持っている仮想通貨を「取引所に貸して、利息を受け取る」ことです。
参考仮想通貨のレンディングとは?仕組みと稼ぎ方、リスクを解説
1番にせよ、2番にせよ、まずはビットコイン・仮想通貨を買うこと(=持つこと)が出来ないと、話になりません。
ですので、次項で仮想通貨を買う方法を解説して終わります。
【簡単3ステップ】仮想通貨の始め方(買い方・積み立て方)
ビットコインや仮想通貨を買う方法(または積立を始める方法)は、簡単3ステップです。
- 取引所に登録する
- 本人確認をする
- 仮想通貨を購入する(または仮想通貨の積立投資を設定する)
取引所に登録する
まずは、株式でいうところの「証券会社」にあたる、仮想通貨の「取引所」に登録する必要があります。当メディアでは、大手マネックスグループ傘下で信頼性があり、取引できる仮想通貨の種類が多いコインチェックをおすすめしています。
コインチェックなどの取引所のトップページにアクセスしたら、メールアドレスやパスワードを入力。これだけで新規登録ができます。

本人確認をする
仮想通貨を購入するためには、取引所に本人確認書類を提出しなければなりません。ただし、仮想通貨では、スマホだけで簡単に本人確認書類の提出が出来ます。


【一括購入の場合】仮想通貨を購入する
仮想通貨を購入する手順は、どの取引所でもほぼ同じ。例えばコインチェックだと、以下の通りの3ステップです。
- 「販売所(購入)」をクリックする
- 購入したい仮想通貨の種類を選び、数量(コインの枚数)を入力する
- 「購入する」をクリックして購入する
【つみたて投資の場合】仮想通貨の積立投資を設定する
当サイトでおすすめしている仮想通貨の投資の方法が「積立投資(つみたて)」です。積立投資であれば、以下の5つのメリットを受けられるからです。
- 買い時を考えるストレスがない
- ドルコスト平均法で自然とうまく買える
- 相場急騰時の高値掴みを自動で避けられる
- 自動で長期投資が出来る
- 余裕資金しか投入しない設定ができる
参考ビットコイン・仮想通貨は積立投資一択です【初心者向けにわかりやすく】
仮想通貨のつみたて投資を始める際の取引所は、コインチェックがおすすめ。コインチェックでは、以下の4ステップで設定が完了します。
- 「Coincheckつみたて」をクリックする
- 引き落とし口座を設定する
- 「毎日つみたてプラン」か「月イチつみたてプラン」を選ぶ(おすすめは「毎日つみたてプラン」)
- 「積立する通貨の種類」と「毎月積み立てる金額(円)」を選んで「積立を申請する」をクリックする


まとめ
マイニングは、ビットコインおよびブロックチェーン技術の根幹システム。
技術としてある程度理解しておくことは重要なのですが、個人がマイニングに参入しても旨味はあまりありません。
仮想通貨の投資家であれば、基本の儲け方は「バイアンドホールド(買って、持っておく)」です。
誰も将来のビットコイン価格を約束はできませんが、急騰時以外に買って持っておけば、儲かってきたということは過去の事実です。
まずは無料で取引所に口座を作る所から始めましょう。最初は少額で、積立投資(つみたて)を行うのがおすすめです。
注意
- 当サイト「博士の仮想通貨積立」の情報は、金融庁の暗号資産に関する情報・データや、仮想通貨の過去チャート(事実としての価格データ)、独自の見解を基に、情報の提供を目的として当サイトが作成したものです。特定の商品の勧誘や、売買の推奨等を目的としたものではありません。
- 当サイトのいかなる情報も、将来の運用成果を保証するものではありません。また、一般に仮想通貨(暗号資産)には元本割れのリスクがあります。最終的な投資決定は読者様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。